アメリカとイギリスの違い 言語編

2018年に夫の仕事の都合でアメリカからイギリスに引っ越しまして、1年ほど経ちました。
 
アメリカとイギリスって同じ英語圏だけどイメージ違うよなーなどと思いつつ、日本→アメリカの引っ越しがなんとかなったんだからアメリカ→イギリスも大丈夫だろうとタカをくくってたのですが…
 
結果、思った以上に違っていて、けっこうストレスもありましたが、この頃やっと慣れてきました。多分この「違い」は客観的に明らかなものもあれば、人によって感じ方が違うものもあり、住んでいる地域とか仕事とかによってもいろいろだと思いますが、私自身が感じてきたことをまとめておきたいと思います。同じような立場の人の参考になればうれしいです。
 
…と、まとめていたらやたら長くなってきたので、まずは言葉の違いについてまとめます。このあと、食べ物やファッション、生活面での違いも書いていきたいです。
 
 
・英語がだいぶ違う
 
アメリカには通算7年住んで、日常会話はなんとか英語でできるようになったんですが、そして仕事も翻訳をしてるんですが、私の英語力はまだまだネイティブ並みとは言えません。そしてイギリス英語とアメリカ英語は発音も使う単語・表現もいろいろ違うのを知ってはいたので、引っ越しにあたって戦々恐々とはしつつ、まあなんとかなるかな?とも思っていました。
 
が、やっぱり最初はイギリス英語、全然わからなくて、??????となることがしょっちゅうでした。特に電話だと聞き取れなさすぎて、もはや言葉の一部すら把握不能!何語かもわからない!みたいなことが多発しました。何が違うのかって、なんかイギリスの人って口の奥にマシュマロかなんか入ってるみたいに聞こえるんですよね…と思ったら、そのへんを鮮やかに説明してくれてる動画があったんで貼っときますね。
 
 
 
 
(マシュマロが入ってる感じは、上の動画の0:55あたりからの「o」の発音と1:35あたりの「a」の発音でだいぶ納得しました)
 
さすがに1年経った今は、買い物とか病院とか学校の先生との会話はできる程度になりましたが、アメリカ英語が8割わかるとしたら、イギリス英語はまだ6割くらいかなあ、、、
 
 
・lovelyは「ラブリー」ではない
 
と、言葉で多少苦労してはいるのですが、いつまで経ってもネイティブ並みになれない永遠の英語学習者としては、違う英語に触れられるのは楽しいです。単に語彙が入れ替わるとかだけじゃなく、アメリカではたまにしか使わない表現とか意味がイギリスでは頻繁に使われてるのが興味深いです。
 
たとえば「lovely」って言葉がイギリス会話には頻出します。辞書で見ると一応「美しい」「可愛い」みたいな意味があるみたいですが、イギリスではどっちかっていうと使われすぎてほとんど意味がないというか、でも基本ポジティブな、「good」とか「nice」みたいな感じで使われます。会話の中では、形容詞というより間投詞のような感じで、「lovely」単体で「ありがとう」とか「OK」みたいな肯定的な挨拶/相づちとして使われてる感じがします。この使い方だと、人によってはちょっとびっくりするみたいです。「ラブリー」って語感からすると女子っぽい言葉遣いにも思えるんですが、男性も普通に使ってます。
 
たとえば、スタバで注文するとき→私「カフェラテください」店員さん「3ポンドです」私「どうぞ(支払う)」店員さん「lovely
何かの窓口で書類書いたりするとき→私「書き終わりました」受付の人「lovely。じゃあ座って待っててくださいね。
という感じです。多分、OKとありがとうの中間くらいの気持ちなのかなと思いながら聞いています。
 
 
 
・メッセージの最後に謎の「x」
 
あと気になったのは、女子同士のテキスト上のやりとりで文末にやたら「x」を付けることで、これは「kiss」を意味するようです。アメリカ英語だとメッセージの最後に「xoxo」(kiss and hugの意味)と書いたりしますが、この習慣に同じように疑問を持ったアメリカ人女性のブログによると、それよりもっと頻繁みたいです。
 
私の見てる例でいうと、子供の学校の親同士で作っているWhat's Appのグループ(日本のLINEグループに相当)があり、そこでは「宿題の提出日って明日だっけ? x」「たしか明後日?」「明後日でOKよ x」「よかった!ありがとう xxx」といった感じでxが乱発されてます。そしてもちろんリアルで会ってるときにはみんな、そんな一言ごとにチュッチュしてるわけじゃないですw でもなんでか、テキストとかメールだとそういう感じでシメにxを入れたくなるみたいです。そしてこのxは、男性は基本的に付けないもののようです。
 
 
 
・並べ替えじゃなく、問題解決の「sort」
 
あとは日本語ではExcelの「ソート」(並べ替え)あたりで知られているであろう「sort」って単語も動詞でよく使います。イギリスでの「sort」は、「解決する、直す」って感じの意味ですが、受け身にして「sorted」で「大丈夫、一件落着」のようなニュアンスで使われることが多い気がします。
 
たとえば今電車に乗ると、不審物を見つけたら通報しましょうキャンペーンで「See it, Say it, Sorted」という放送が流れてるのですが、訳すと「『それ』を見たとき、通報すれば、もう大丈夫」という感じです。とか、家のガレージドアが壊れたときに大家さんが直してくれて、「よし、これでsortedだね」という感じです。
 
 
 
・なんでもありの「pudding」
 
あとややこしいのが、puddingです。狭義には、小麦粉とか卵をまぜて加熱して固めた食べ物のことをさすようで、custard pudding=いわゆる「プリン」もそうだし、肉料理の付け合せに出てくるYorkshire pudding(シュー皮みたいな食感)もプディングです。つまり、甘いものも甘くないものもプディングです。
 
puddingのややこしさはこれにとどまらず、広義のpuddingはデザート全般を指します。たとえばフードトラックに「pudding」と書いてあるものがあると、そこには日本で言うブラウニーとかパウンドケーキみたいなものが並んでいて、いわゆる「プリン」はほぼないです。さらにはお弁当の食後用に付けた小さなヨーグルトとかチョコレートとかまで「pudding」と呼んでいるようで、子供が「今日、クラスの誰々がランチにpuddingを持ってきてた」みたいなことを言ってました。なので広義の意味では、中身が焼菓子なのか生菓子なのかといったことはもうあんまり関係なく、「デザート」として供されるものは「pudding」と呼んでしまうようです。
 
でも「デザート」(dessert)という言葉も「デザート」として使っていて、レストランで「デザートメニューください」と言ったりします。このページによると、もともとは「pudding」は庶民のデザート、「dessert」は上流階級のデザートだったのが、最近何事もボーダレスなのでないまぜになっている、ということのようです。
 
その他、一般的な語彙とかつづりの違いとかはいろんなところでまとめられてるので、ここでは特に触れませんね。…って、読み返すと、誰かの参考になるのかどうか自信ないんですが。