Take up the mantle=マントを取り上げる?

これはあるテクノロジー企業の歴史についての文章を翻訳しているときに出て来ました。

原文では、その企業の過去の事業失敗について触れたあとで「創業メンバーの後を追う者は無数にいる、taking up the mantle of the brash engineer…」となっていました。

mantleの意味がわからなかったので調べたら、「マント、外套」だったり、それが転じて地球の核を覆う部分(マントル)の意味だったりします。あと「brash」も知りませんでしたが、これは「無謀な」または「精力的な」という意味で、文脈によってネガティブにもポジティブにもなります。この文章の前の部分で創業メンバーの暴走で失敗したことが書かれていたので、「the brash engineer」は「その無謀なエンジニア」となります。

つまり上の「taking up the mantle of the brash engineer」部分を直訳すると、「無謀なエンジニアのマントを取り上げて」という感じになります。「マントを取り上げる」ってことは、覆ってるものを取る=正体を明らかにする(暴露する)みたいな熟語かと思いましたが、前後の文脈に合わないし、通常の辞書にも載っていません。

それでいろいろ検索してみたら、こんなページを見つけました。

Wordreference.comの「Take up the mantle」スレッド

言葉に関するコミュニティサイトで、私と同じように困って質問された方がいました。回答によると、「take up the mantle」とは「誰かが過去にしていたことを、その人と同じようにやる」という意味になるそうです。聖書のエピソードに由来するみたいです。

つまり上の表現では「無謀なエンジニアと同じようにして」となります。前後を踏まえてもうちょっとこなれた表現にするなら「がむしゃらな技術者像を受け継ぎ」という感じでしょうか。

 

あんまり使わない表現なのかな?と思っていたんですが、このあとドラマ「24」の最終シーズンを見ていたら、ある場面で使われていたのでおお! となりました。意味もやっぱり「前任者の後を継ぐ」というような意味でした。(見てない人がいたらネタバレ含むので詳細書きません)